| 中学校に奉職して約30数年..... 退職まで今年を含めてあと5年を残すばかりとなりました。 中学生・・・身も心も最も大きく変化する3年間に関わり続けてきました。
指導する吹奏楽部は 3年生の引退まであと1ヶ月余りです。 この時期の3年生は、過去の先輩たちから受け継いだ伝統と 自分たちが作った歴史を どの様に2年生が受け継いでくれるか......が 一番の悩みであり楽しみでもあります
昨日の合奏練習で、本当に嬉しいことがありました。
3年生のトランペット・パートのリーダーが 「今日は2年の○○さんに私の代わりにソロをさせます」と言ってきました。 3年生のレヴェル(技術・精神面)を抜くことはなかなか難しいことです。
果たして その演奏は......... 抜群の 音楽 音色が合奏室に広がりました。 8小節 約20秒のソロでしたが、2年生が演奏していると言うことを他のパートの人達は知りません。提案した3年生が演奏しているものと殆どの人が思っていました。 演奏したのは 2年の○○だ! と言うことが判ったとき、自然発生的に合奏室に拍手が沸き起こりました。 私が「○○先輩のソロ以上の内容だったね! ○○先輩良かったね!」と言ったとき 先輩の目には涙がいっぱい浮かんでいました。 2年生の成長を全ての3年生が心から喜び、トランペットのリーダーに「おめでとう!」 「良かったね!」「羨ましいな〜!」という祝福の言葉が次々に私に耳に入ってきます。 後輩の成長を待つことの大切さと忍耐強さを垣間見た瞬間でした。を
3年生の引退までに 圧倒的な存在感のあった先輩を超す可能性を見せた2年生.... 技術的には先輩を抜けるところまで来ました..... 次は「心」ですね!
赤ちゃんが誕生して大喜びする両親の気持ち この2年生の成長(誕生)を喜ぶ3年生の姿とオーバーラップします 何れは親になる子供達です このクラブでの共通の体験は、一人の人間を大切にする心を育て、自分が親になるいつの日か「愛することの素晴らしさ」を知る大人となってくれると信じています。
たかが 吹奏楽部の活動です 私の活動など些細なことです しかし この活動は「いのちのリレー」だと私は思っています。
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